妊娠中、思うように動けない妻を支えてあげたいと思っても、実際、何をどうしていいのか分からない夫も多いようです。
良かれと思いしたことが、逆に迷惑をかけてしまう。してほしいのはそれじゃない! など怒らせてしまう場合も…。そこで、今回は、妊娠中、奥さんが夫にしてもらってうれしいことをお届けします。
目次
妊娠・出産二人で乗り越えよう
妊娠・出産は女性だけのイベントではありません。妊娠期間中は、身体と心が大きく変化し、自分でも感情のコントロールが難しいことがあります。
そんなとき精神的にも日常でも頼りたいのが夫です。一番近くにいてその辛さを目の当たりにしているからこそ、妻をしっかりサポートし支えたいものですよね。
お腹の中で赤ちゃんが育てば育つほど、身体にも大きな負担がかかります。妻1人では大変なことがたくさん! ほんのちょっとしたことでも、「僕がやるよ~」なんて言ってくれたら本当にうれしく思います。
育児は生まれてからという考え方をやめて「妊娠中も育児」と思いましょう。まずは、出産を無事に迎えられるよう二人で協力し合うことが大切です。では、どのようなことをしてもらったら妻は喜ぶのか見ていきましょう。
妊娠中の妻が夫にしてもらって嬉しいこと
(1)産婦人科の検診につきそう
厚生労働省ににより、妊娠したら産婦人科での妊婦健診が推奨されています。妊婦健診は、母子ともに健康状態を診てもらう大切な検診です。
妊娠すると身体を動かすこともひと苦労。仕事の都合がつく限り、検診に付き添ってあげましょう。
妊婦健診に付き添うメリット
・妻に万が一のことが起こったとき、体調がすぐれないときフォローができる
・検診で胎児の成長を妻と共有できる
女性は妊娠すると体調の変化や胎動を感じ母性が目覚めます。しかし、男性は自分の身体に変化がなく、生まれて赤ちゃんを抱いてからパパになったことを自覚する人がほとんどです。妊婦健診に付き添うことにより、「親になった」という気持ちを実感することができます。
(2)重い荷物は率先して持つ
BMJジャーナルの「職業と荷物やその重量と妊娠の関係」によると、1日に10回以上重い荷物を持ち上げたり運んだりする場合、または10kg以上のものを持ち上げたり運んだりする場合、流産や早産率が上がる可能性があるとのことです。
重い荷物を持つことで、腹圧増加により子宮血流の低下が起こったり、子宮収縮が増強されたりなどの原因があるそうです。妊娠期間中は妻に重い荷物を持たせたり、運ばせたりしないよう気をつけてあげましょう。
(3)高い場所にあるものを下ろしておく
避けたいのは、重い荷物だけではありません。高い場所にあるものも夫が積極的におろしてあげる、前もって必要なものを手の届く場所へ下ろしておくなどの配慮が必要です。
妊娠すると体重も増加しいつもの身体とは違います。バランスを崩しやすくもなっていますし、お腹に圧をかけてしまうと不正出血、流産、早産などのリスクがあるので気をつけてあげましょう。
(4)自分のご飯だけでも自分で用意する
妊娠しても家事はしてほしいという夫が多いのですが、つわり中、安定期に入っても身体の負担は大きく、家事一つとっても妊婦には大変な重労働になります。
妻もできればきちんと家事をしたいと考えていると思いますが、思うように身体が動かず、休み休みの状態で、普段の3倍は家事に時間がかかってしまうようです。
「なんでご飯の用意してないの?」なんていうと傷つけてしまいます。せめて自分のご飯だけでも自分で用意するようにしましょう。余裕のある人は、妻に何が食べたいか聞いて用意してあげてくださいね。
また、ここで気をつけてほしいのがニオイのキツイものです。妊娠するとニオイに敏感になります。できればニオイのキツイものは避けるか、妻の前で食べないようにしましょう。
(5)言われる前に何をしてほしいのか聞く
してほしいことを言ってもらえるまで待つのではなく、自分から聞いてあげることもよろこばれます。そして、一度頼まれたことは「してほしいことなんだ」だと考え、都度するようにしてあげましょう。
(6)話をじっくり聞く
心身ともに不安定になっている妊娠中はじっくり話を聞いてくれるだけでもうれしいもの。積極的に心身の変化についてや、妊娠・育児の知識を共有し合うだけでも、一緒に妊娠・出産を乗り越えていく意識を伝えるこができ妻は安心します。
(7)言われたことは10秒以内に!
妻が頼んだことは「今してほしいこと」です。例え「お皿洗って」、「ゴミだして」などちょっとしたことでも、「ちょっと待って」、「後でいい?」なんて言わず10秒以内にするよう心がけてください。
なぜ10秒以内なのかというと、女性は妊娠して感情のコントロールがうまくできない状態になります。しかも、ストレスをうまく処理できずネガティヴ思考になりやすくなっています。
急に泣き出す、怒り出す、塞ぎ込むなど、自分自身でもどうにもならない状態になってしまうのです。
妊娠中は、なるべくストレスをかけず穏やかに過ごしてもらうことが大切。「ちょっと待って」、「後でいい?」などは地雷ワードだと考えてください。言われたことをすぐしてストレスをかけないよう心がけてください。
(8)禁煙・禁酒
妻が妊娠したら禁酒・禁煙に挑戦しましょう。お酒好きな女性も妊娠したら禁酒しますよね。この時、夫も一緒に禁酒してくれたらお酒を我慢している気持ちを共有でき、気遣ってもらえていると実感できます。
また、女性の禁酒は妊娠中だけではありません。赤ちゃんが生まれ授乳する場合、実質2年ほどの禁酒が必要になります。
妊婦にタバコの煙は絶対ダメです。受動喫煙は流産や早産を引き起こすだけでなく、お腹にいる赤ちゃんにも悪影響を与えてしまいます。
「ベランダで吸うから」、「換気扇の下で吸うからいいよね」など言わず妊娠がわかったら禁煙するよう努力しましょう。
周囲の喫煙によるリスク(※1)
周囲の喫煙にどのようなリスクがあるのかご説明するのでみていきましょう。
・胎児へのリスク
子宮内の胎児の発育を阻害します。死産や新生児の死亡リスクを高めます。妊娠中の重症の合併症の危険を 1.5~4 倍高 めます。
・生まれてきた赤ちゃんへのリスク
生まれて きた赤ちゃんの突然 死の原因となります。 奇形、肺の発達異常、 脳の発達障害、問題 行動や知能レベル低下のリスク、ぜんそく、中耳炎 や肺炎などその影響は様々です。
・ベランダや換気扇の下もNG
換気扇の下は10倍、ベランダや屋外で吸っても2倍の受動喫煙率があります。ベランダ・別室、換気扇の下でも受動喫煙の防止はできないことが立証されています。
・子どもが将来喫煙者になる
親の喫煙は子供が喫煙者になる危険性を高めます。 父だけの喫煙にて子が将来喫煙者になる危険性は1.7倍、父母とも喫煙すれば3倍となります。
(9)ベビー用品を一緒に選ぶ
ベビー用品を主に使うのは妻になるので「キミのいいものを買ったらいいよ」、「好きなものを買って」というのはNGです。例えそうだとしても、一緒に使うという意識を持って積極的に選ぶようにしましょう。
そうすることで、妻とのコミュニケーションも取れ、パパになる自覚も芽生えてきます。
(10)パパ・ママ教室に参加
病院や市が開催しているパパ・ママ教室に一緒に参加するようにしましょう。産婦人科検診と同じく、妻の体調が急変したときなどすぐフォローできます。
また、パパママ教室では沐浴体験、妊婦体験もできますし、同じ時期にパパになる男性も参加しているので情報交換やパパ友を作ることができるかもしれません。
(11)お腹に話しかけたり、触ったりする
妻の胎動を感じたり、お腹が大きくなったらお腹に手を当てて赤ちゃんに話しかけてみましょう。
妊娠20週くらいでママの心音や血液が流れる音を聞くことができ、赤ちゃんは「ママの音だ」と感じます。妊娠28週を過ぎると、お腹の外の世界の音が聞こえてくるので、お腹に手を当て話しかけることでパパの声も赤ちゃんに届きます。
声は羊水によって隔てられてしまうため、はっきりと聞こえているわけではないのですが、抑揚のあるハイトーンな声で話しかけると反応がよくなるそう! いつもよりトーンを上げて話しかけてあげましょう。
お腹の中の赤ちゃんに話しかけコミュニケーションを取ることは、赤ちゃんの脳にいい刺激を与えるとのこと。妊娠32週くらいになると声の違いを認識できるようになっているので積極的に「パパだよ〜」と話しかけてくださいね。
(12)家のものを把握しよう
妻が妊娠すると生活が激変することでしょう。家事を妻に任せている家庭では手伝いたくてもどこに何があるのか分からないという夫も少なくありません。
できれば普段から家事を手伝って何がどこにあるのか把握しておくと、いざという時、慌てることがなく、妻も大変助かります。
(12)家事はひと通りできるように
妻の実家で出産した場合3ヶ月程度、実家ではなくても出産後数日は入院するので夫が家事をしなければなりません。
家を綺麗な状態で妻と赤ちゃんを迎えたいもの。帰ってきたら家がめちゃめちゃだったとなれば妻は激怒することでしょうし、赤ちゃんにも不衛生です。掃除や洗濯、できれば炊事もひと通りできるよになっていると妻も赤ちゃんも助かります。
【まとめ】妊娠中からパパになる準備を!
いかがでしたか?
男性は子どもが生まれその手に抱くまでパパになった実感を持つことは難しいと思います。しかし、妊娠中の妻が夫にしてもらって嬉しいこととはパパになる自覚を持てる行動が多くみられます。
赤ちゃんがお腹にいる時から育児はスタート! 妊娠中の妻がしてほしいことを理解して二人で協力し、生まれてくる赤ちゃんを最高の環境で迎えましょう。そのためにも奥さんを積極的にサポートしてあげてくださいね。
参考:職業と荷物やその重量と妊娠の関係
※1:くまもと禁煙推進フォーラム
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